坪庭や中庭をつくる場合に大切なのは、何のためにつくるのか、その目的を明確にすることです。各部屋から庭を眺めるためか、採光のためか、居間などの延長として使用するのかなどがあります。これらの庭は、建築のデザインによって、つくり方が変わってくるのは当然なことです。和風、洋風それぞれの建物には、それに応じたつくり方があり、使い方があります。そして、これらを設けることで生活を楽しくすることができるかにあると思います。したがって、これらを生かし、それを生活の中に溶け込ませるかの工夫が必要なのです。
坪庭のつくり方の実際
【排水を完全にすること】
坪庭や中庭をつくるにあたって、第一番に注意することは「排水」です。これは普通の庭の場合も同じなのですが、とくに「坪庭・中庭」は建物に接しているので、なおいっそうの配慮が必要とされます。排水が完全でないと、植木や下草を植え、砂利を敷いてきれいに仕上げても、一度大雨が降ったら、水びたしになり、庭がメチャクチャになってしまいます。
配水管を建物の下に通さなければならないケースもあるので、建築設計の段階でチェックして、忘れずに配管してもらってください。往々にして計画されていない場合があります。
【照明の効果的な利用】
日中、働いて帰宅して、庭に目をやると、照明に照らし出された樹々のシルエット、下草や芝生の緑が、疲れた気持ちをホッとさせてくれます。庭をつくる場合には、「夜の庭」も忘れないでください。
坪庭・中庭の植栽
坪庭・中庭は当然、日照の条件がよくないのが大半ですから、使う樹種も限定されます。もちろん高木は使えません。日当たりをいっそう悪くするだけです。樹種は日陰か半日陰に適するものを使います。土がない場合は、鉢物を上手に利用してみるのも一つの方法です。つまり、植木を装飾品と考えて、しばらくしたら交換するという方法も検討する価値はあります。
坪庭・中庭の添景物
基本的には一般の庭とかわりありません。灯篭、ガーデンライト、彫刻、手水鉢などを場所に合わせて考えるべきでしょう。ただし、場所的に制限がありますので、一木一草、一石の精神で、あっさり表現することが大切です。